健康キーワード
英国人は挨拶代わりに天気の話をするというが、日本人の共通の話題は「健康」です。こちらでは次から次へとテレビや本などで紹介されてる健康法、食品成分、体内酵素などを分かりやすく紹介します。

イソフラボン

2005/09/24(土)
イソフラボンとは
イソフラボンは、大豆胚芽に特に多く含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をもつ物質です。今のところ、ダイゼイン、ゲニステイン(ともに配糖体)を代表とする15種類の大豆イソフラボンが確認されています。大豆のほかに葛の根やクローバーなどにも含まれています。
大豆をたくさん食べる日本や中国などアジアの女性は、欧米人に比べて更年期の症状が少ないことから、大豆イソフラボンは、骨粗鬆症や更年期障害、乳ガン等の女性疾患に対する有効素材として世界で注目を浴びています。1991年には米国立がん研究所(NCI)が290万ドルの予算を計上して抗がん効果の研究を始めました。また1996年にベルギーで開かれた『第2回大豆の成人病予防と治療に関する国際シンポジウム』では、イソフラボン関連の研究発表が相次ぎました。


イソフラボンの効果
1. 更年期障害の軽減
更年期障害は、のぼせ・ほてり・心悸亢進・発汗・冷え性・憂うつ感・焦燥感・不眠・耳鳴り・肩こり、腰痛、全身倦怠感などその症状は様々ですが、これらの症状は女性ホルモンの不足が引き金となることから、女性ホルモン様の作用をもつイソフラボンは大いに有効です。

2. 骨粗しょう症の改善
更年期の女性は、女性ホルモンのエストロゲン分泌の減少が進むことから、いくら牛乳などカルシウムを摂取しても、骨中のカルシウムはどんどん溶け出していく傾向にあります。エストロゲンは、骨から溶け出すカルシウム量を抑えて骨を保護する役目をしています。エストロゲン様の作用をもつイソフラボンは、女性ホルモンの激減を緩和して、骨密度を保つ働きをします。

3. 抗ガン作用
イソフラボンは女性ホルモンの欠乏を補うと同時に、女性ホルモンの分泌過剰に対してはそれを抑える方向に働きますので、女性ホルモン過剰が引き金となる乳がんの予防にも役立つことが明らかにされています。乳ガンと同じようにホルモン依存型である前立腺ガン、子宮ガンに対しても、イソフラボンは効果的に働くと考えられています。
また、イソフラボンにはガンが作り出す新生血管の阻害活性、抗酸化作用なども報告されていますので、乳ガンや前立腺ガン以外にも、大腸ガン、肺ガン、肝臓ガン、胃ガン、白血病などの多くのがんの予防に対する有効性が期待されています。

4. 動脈硬化の予防
動脈硬化は、活性酸素によってLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)などが酸化されるために起こると考えられています。イソフラボンは、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を減少させると同時に、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロール(血中のLDLコレステロールを減らす作用を持つ)を増やす作用があります。

5. 美容効果
イソフラボンは女性らしい体をつくるエストロゲンと同様の働きがあり、美白作用(メラニン生成の抑制)、保湿性の向上といった肌の美容効果も認められています。ほかにも豊胸効果(バストアップ)や生理不順の改善などの効果があります。


イソフラボンの摂取
イソフラボンの摂取量は一日に40mg〜50mgが理想です。これは、豆腐なら150g(半丁)、きな粉なら20g、納豆なら60g(1パック)です。 米国医薬食品局(FDA)では一日当たりのイソフラボン摂取の適正量を60mg(イソフラボン配糖体では100mg)としています。
エストロゲンと比較するとイソフラボンの女性ホルモン様作用はごく軽微ですが、ホルモンバランスは人によって違うだけでなく微妙なバランスで成り立っているので、サプリメントなどによって多量に摂取する場合には注意が必要です。
イソフラボンは、自然に存在する成分であり薬ではないため、副作用の心配はないといわれていますが、ダイズの数十倍という極めて高いイソフラボン含量がある「プエラリア(ガウクルア)」などは、通常の食事で大豆製品を摂取できない人以外にはまず必要はないと思われます。



最近の記事
2005.9.16 “女性の味方”大豆イソフラボンに美肌効果
キッコーマンがシワ改善効果をヒトで確認

 キッコーマンは、大豆イソフラボンが、女性ホルモンの分泌の低下が原因で起こる皮膚のシワや弾力の低下を予防、改善する効果があることをヒトでの臨床試験で確認した。
 肌への影響については、これまで試験管や動物実験で、メラニン生成抑制やコラーゲン生成促進などの効果が確認されていたが、「ヒトでの試験は報告されていなかった」(キッコーマン・バイオケミカル事業部の有井雅幸・機能性食品グループ長)という。
 同社は、発酵技術で腸や胃での吸収が良い「アグリコン型」と呼ばれる大豆イソフラボンを使って試験を行った。
 目尻に深いシワや細かいシワがあり、目の下のたるみが気になる30代後半から40代前半の26人の女性を群に分け、一方にはアグロコン型イソフラボンを1日40mg、もう一方にはプラセボ(偽薬)食品を3カ月間食べてもらった。
 シワのレプリカ(複製)を取って、シワ面積の変化を調べたところ、3カ月後にプラセボ群に対して有意にシワ面積が減少した。また、目の下の皮膚の弾力性を調べたところ、2カ月後に有意に弾力性変化率が改善した。
 大豆イソフラボンは、骨粗しょう症やのぼせ、月経前症候群(PMS)など、女性ホルモンのバランスの崩れに伴う不調を予防、改善する成分として知られているが、今後は、更年期が原因の肌老化の対策成分としても注目を集めそうだ(黒住紗織)[日経ヘルス]

  

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